会社員が家を買う
私は現在70代ですが、これまでに必要に迫られて三回家を買いました。 最初は30歳ぐらいの時です。その頃、私はいわゆる転勤族で最初 に東京本社に配属され、それから何度目かの地方の転勤先で前任者 の借上げ社宅を引き継いで住んでいま した。
借上げ社宅とは、会社が民間のアパートや貸家を借上げて 社員に 割安な社宅料で住まわせるのです。そこに、大きな台風が来たので した。
私の借上げ社宅は大きく揺れて、 いまにも壊れそうでした。怖く なって、やむを得ずに近所にあった大家さんの家に避難させてもら いました。大家さんの家は全く揺れていないのでした。
そして、台風 が過ぎ去って借上げ社宅に戻ってみると、大きな庇 (ひさし)が風で落 ちて壊れていました。避難して良かったと思い ました。
その後、大家さんは息子さんと2人で、その庇を元に戻して修繕し まし た。しかし、素人の大家さん達が修繕しましたので、庇を家屋 に打ち付 けた釘が少しずつ抜けてくるのです。夜、静かになって 寝ていると 「ギシッ、ギシッ」と明らかに釘が少しずつ抜けてくる 音が聞こえて くるのです。
私は、このような粗悪な貸家は危険だなと思って、会社 の借上げ 社宅担当の人に事情を話して、借上げ社宅をもっと良いところ に変 わりたいとお願いをしました。
( 初めて家を買う)
その後、大家との話合い、会社との話合いと色々ありましたが、結局、 話合いはうまくいかず、自分で小さな家を買いました。家を買うに当って、 私は不動産の知識がありませんでしたので、国家資格である宅建主任者 (現 宅建士)の本を買って読みました。
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不動産には、建築物の規制、接道など色々な難しいことがありますの で、家を買うときは宅建主任者(現 宅建士)のテキストが不動産の 基礎知識を得るのに便利でした。こうして、粗悪な貸家から何とか 脱出したのですが、その後1年で転勤に なったのでした。
この会社では、家を買うと転勤になるぞと先輩社員から警告されて いましたがやむを得ません。先輩社員たちの多くはある程度の年齢に なると家を買って、家族をその家において自分は単身赴任で転々と するのでした。
小さな家でしたが、築1年のこの家を私は地元の不動産屋さんに売却 を 頼んで、新しい勤務地に赴任しました。そして、また借上げ社宅です。
新しい勤務地に行って再び借上げ社宅トラブルが待っていました。 二回目の借上げ社宅トラブルも一回目と同じような、あまりにも粗末な 貸家が原因ですので説明は省略します。
( 東京に戻って転職した)
そして、このトラブルは、 私はもうこの会社をあきらめて転職を考え るようになる原因の1つで した。私は、その支店に2年間勤務して、 結局その会社を退職しました。 そして、東京に戻って転職したのです。
私は転勤の無い会社に転職しました。会社員ですから退職の理由は もちろん 仕事のことが1番でした。しかし、定年まで転勤の都度、 借上げ社宅担当者 と不毛のゴタゴタしたトラブルを繰り返しながら、 質の悪い借上げ社宅 を転々とする生活にすっかり嫌気がさして いたのも事実です。
こうして、私の借上げ社宅住まいという生活が終わったのです。私は、 30代後半になっていました。転勤による引越し生活は、会社員本人は もちろんですが、会社員の家族にも大きな負担がかかります。できれば 社員同士が助け合って、少しでも良い借上げ社宅の環境になっていって 欲しいものです。
地方支店で退職してから上京して転職するのですから、住む家を見つ ける のも新しい会社を見つけるのも、両方とも、とても苦労しました。 できること なら、もっと安全な転職の仕方をした方(ほう)が良いわけ です。
しかし、 1980年代の当時はインターネットも無く、地方の遠隔地から は東京の求人情報を取りにくい時代 であり、やむを得ないのでした。
現在はインターネットが普及して、転職の情報をはじめとして、色々な 情報が取りやすくなって、その点は本当に良い時代になりました。
私は東京で転職して数年したところで二回目の家を買いました。 中古マンションでした。なお、前任地で建てて、築1年で売りに出した 私の家は数ヵ月後に売れ ました。ある程度の差損が出ましたが, それはやむを得ないことでした。
その家を私から買った人が築1年のまだ新しい家に気持ちよく住んで くれ たでしょうから、それで良かったのだと思っています。
長く生きてきましたが、 私に関(かか)わる人が幸せになると、実は 私にも幸せが回ってくるのだと 最近つくづく思うからです。
( 定年後に三回目の家を買う)
今、住んでいる家は三回目に買った家です。会社を定年後に買いました。 その時は二回目に買った中古マンションの 5 階に住んでいたのですが、 そのマンションにはエレベーターが無く、60歳を超えると階段を 上るのが大変になってきたからです。
一回目、二回目の時は、お金がありませんでしたので住宅ローンを組み ました。本を読んで勉強して、住宅ローンは年収の5倍までですよと 書いていましたので、そのようにしました。30年以上前のことです ので、年収の5倍までの計算根拠は覚えていないのですが、おかげで 経済破綻することなく生きてきました。
今、住んでいる三回目の家は築25年の中古の一戸建てを買いました。 貯金で買って退職金でリフォームしました。築25年の中古の一戸建て となると、水回りなどは相当に痛んでいますので、かなりのリフォーム が必要です。
風呂場の床を大工さんが剥がしたときは、土台が真っ黒に腐っていて 驚きました。大工さんは「こんなもんですよ。」と言っていました。
タイルで作られた風呂でしたが、タイルの溝から少しずつ水がしみ出て、 土台を痛めるというのです。聞いてみないと分からないものです。
新しい風呂は水がしみ出ないセット式にしました。また、業者さんに 勧められて雨の日に風呂場に洗濯物を干せる設備をつけました。この 設備はとても役立っています。
それから、各部屋の窓ガラスを1枚ガラスからペアガラス(複層ガラス) にしました。床や壁には断熱材を入れました。こうしますと、冬の室内の 暖かさがぐんとよくなります。そして冬場の結露も全く無くなるのでした。 建材が随分と進化していると思いました。
(了)
