(2016/7/18)
会社で攻撃されて辛いとき
会社に勤めて仕事をしていると、人から攻撃されることがあります。 人は上司、同僚、部下、他部署の人、など、さまざまです。
会社の中は、一緒に仕事をする仲間の方(かた)たちがいるところですが、 同時に競争社会でもありますから已むを得ないとも言えます。
人に攻撃されれば、誰でも傷つきます。毎日の出勤が辛くなってきま す。本屋さんに行きますと、「前向きに生きる、、、」とか、「心を 切り替える、、、」といった本が沢山売られています。
私もそのような本を買って読んでみました。ある程度は役に立ちまし たが、辛さは続くのでした。
そうした中で、私は「法然と親鸞の信仰」という本を古書店で見て 買いました。大東出版社、昭和十二年七月十日発行、著者 倉田百三です。 ( 注 )
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私が生まれ育った家は、浄土宗のお寺の檀家(だんか)でした。周(まわ )りはどこまでも田と畑という環境の中で、小学校が夏休みになると、子供 たちはそのお寺に集まって子供会を開いて勉強したり、遊んだりするのです。
お寺は生活に身近な存在でした。浄土宗の開祖は法然上人です。それで、 本屋さんで「法然と親鸞の信仰」という本を見た時に関心をもったのです。
( 浄土宗の開祖、法然上人の教えに出会う )
その本の中に、高野の明遍僧都(かうやのみゃうへんそうづ)が法然上人 を訪ねた時のことが書かれていました。
高野の明遍僧都は、法然上人に悩みを打ち明け、相談したのです。その悩み とは、「 − 念佛を唱える時、心が散亂し妄念(もうねん)が起って仕方があり ませんが。」(194頁)というものでした。
この悩みに対して法然上人は次のように答えます。
「どうして妄念(もうねん)を止める事が出来ませう。凡夫の我等の及ぶ事 ではありませぬ。たとひ妄念(もうねん)は群(むら)がり起るとも、それは そのままして、ただ名號(みょうがう)を唱えれば、佛の願力(ぐわんりき)で 往生出來ると信じて、唱へるまでであります。」(194頁)
このお答えによって、高野の明遍僧都の悩みは解決したのでした。
私は、法然上人のこのお言葉を「人は自分の心をコントロールする力を持た ない。だから、心は動くままにして、自分の為さねばならぬことをしなさい。」 と受取りました。
「人は自分の心をコントロールする力を持たない」という認識を私は深く 納得しました。
( 無駄に心のエネルギーを使わず、為すべきことを為す )
人は攻撃されれば、誰でも心は傷つき動揺します。私はそれまで、傷つき 動揺した時、心を静めて立て直そうとしていました。しかし、そのようなことは できないのです。
無駄に心のエネルギーを使うだけでした。そのような徒労をせずに、例えば 会社でならば、為さねばならぬ仕事をしなさいということです。確かにそうすれば 心のエネルギーのすべてを仕事に注ぐことが出来ます。
私は若い頃、緊張するほうでした。そのため人に悪く言われたり、笑われたり しました。例えば人前で話す時、緊張で声が上ずってしまう時があります。 前の日、残業で夜遅くなって寝不足で疲れていたりするとひどいのでした。
そういう日に限って会議があったりするのです。時には少し声が震えて しまったりして、人に笑われるのでした。傷ついてガッカリします。緊張するこの 性格を直したいと思い、本を読んだりしました。
しかし、上記の法然上人の教えを知ってからは、そのような抵抗はやめました。 そして、緊張する自分をそのままにしました。緊張の結果、笑われたり、悪く 言われたりして、恥をかいたり、傷ついたりしても、そのままにしました。
そして、自分が為さねばならない仕事に力を注ぐようにしました。その結果、 私はそれまでよりは、ずっと仕事ができるようになったのでした。
( 人前で緊張しやすい性格を法然上人の教えに救われる )
人前で緊張しやすい性格は生まれつきのものですから、変わることはありま せん。でも、法然上人の教えを知ってからは、緊張しやすい性格が苦にならなく なりました。
しかも、苦にならなくなると、なぜか自然に少しづつですが、緊張する程度は 少なくなっていくのでした。
法然上人の教えは高野の明遍僧都の宗教上の悩みに対する教えですが、色々な 人がいる会社で働いていた私は、自分の心とはどういうものなのか、攻撃された 時に傷つく自分の心にどのように対処したらよいのかという、会社で生き抜く ための根本原理のところを教えていただくことができたのでした。
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(了)
