(2019/1/1)

消費税の税率10%へのアップに身構える(1)

今年(2019年)10月に、政府は消費税を8%から10%に上げると 言っています。私は何かゾッとするものを感じます。このゾッとする感じが 押し寄せてくるのはなぜなのでしょうか。

今年は平成時代が終わります。振返ってみると、平成の時代はずっと経済は 不況だったと思うのです。私が30代後半になるまでの昭和の時代は、 個人的には辛いことも多かったのですが、国の経済は好況の時代でした。

そして、昭和64年は途中で平成元年になり、経済は一転して不況の連続 する時代に突入したのでした。昭和が終わり平成が始まる年に消費税が導入 されました。そして、好況から不況の時代への転換は、この消費税が原因 だったように思われるのです。

今、私の手元に消費税が導入された時に、国税庁が作成した「消費税の 仕組みと手続」という14ページの薄いパンフレットがあります。勤務する 会社の近くの大手出版社で開かれた消費税の説明会で使われた資料です。

講師は、東京国税局法人税課長補佐の O(おー)氏でした。表紙には、 税務署を訪れた人に対して担当の署員が満面の笑顔でニコニコしながら 税務相談に応じている漫画が書かれていて、「消費税はなにも怖くありま せんよ。分からない事がありましたら気軽に相談においでください。」と、 ソフトな雰囲気を醸(かも)し出して、相談に来るようにと書いています。

( 消費税は税率アップの度(たび)に経済にダメージを与えてきた )

導入の時の税率は3%で、まだ低いのでした。あれから30年経ちました。 そしてその間、5%、8%、と税率が上がる度(たび)に経済に大きな ダメージを与えて不況を招き、国民を不幸にしながら、遂に10%という 二桁の税率になるのです。

上記のパンフレットを開いてみると、余白に「取引は対価性の有無によって 課税対象取引と課税対象外取引に分れる。そして、課税対象取引は、更に、 課税取引と非課税取引に分れる」ということを自分で図解してメモしています。

私は、講師の東京国税局法人税課長補佐 O(おー)氏が話した事を一生懸命に メモして勉強したのでした。その時は、私は30年後に税率10%の大きな 間接税になるとは夢にも思いませんでした。消費税導入には反対も多かった ので、私は、消費税はその内、無くなるだろうと思ったのです。私は甘かった のでした。

そして、このように大きくなった消費税による税収は、高額所得者の所得税の 減税や企業の法人税の減税に使われたのです、という記事を読んだことがあり ます。そうだろうな、と思います。昭和の時代、一億総中流と言われた日本人 は、現在は富裕層、庶民層、貧困層、の三つに分れてしまったように思われる からです。

この原因はやはり消費税の導入なのだと思います。そして、はたして自分は、 庶民層だろうか、それとも貧困層だろうか、と迷ってしまいます。それにし ても、税率3%で始まった消費税が、どのようにして税率10%と いう大きな間接税になったのでしょうか。

( 元財務次官 K氏は命を懸けて消費税率アップのために働いた )

私の手元に「享年58歳、命削り働く・・・元財務官僚の「遺言」」YOMIURI ONLINE 2018/8/23 、という記事があります。記事の内容は、元財務次官 K氏 の話です。

元財務次官K氏は民主党政権時代に、財務省官僚として、消費税を5%から 段階的に10%にするため、熱心に精力的に働いたのでした。そして、 政権担当能力が無く右往左往するだけの民主党政権時代を消費税率アップの 得難いチャンスと捉え、消費税を5%から段階的に10%にするための法案を 成立させることに成功したのでした。

その後、自民党政権になってからは経済のことを考えて消費税率のアップに 慎重になる安部政権に対して、予定通り5%から段階的に10%に上げさせ ようと、再び熱心に精力的に働いたのでした。

そして、消費税率アップの仕事に疲れ果てて、せっかく財務次官になったのに、 58歳の若さで2015年8月に病気でお亡くなりになったのです。

上記のYOMIURI ONLINE の記者は、 K氏の消費税率アップのための仕事ぶりを官僚の あるべき手本として、これ以上無いほどに絶賛し褒めたたえ、そして、その 若すぎる死を消費税率アップのために命を削って働いたためだと悲しみで 一杯になって身悶(みもだ)えして嘆くのでした。

58歳の若さでお亡くなりになった K氏は確かに誠にお気の毒なことです。 しかし、「何だかなあ」と私は思うのです。財務省では、増税に成功した人は 出世するという話を読んだことがあります。

財務省という組織の人事評価の原理ということなのでしょうが、中央官庁とも あろう財務省が国民経済のことを考えずに、ひたすら闇雲に増税に邁進されて も、「困りますなあ」と思ってしまいます。

庶民層、貧困層、の国民は大きくなる消費税にギリギリと締め上げられていく 感じがします。

(次頁に続きます)