選挙公報を配る(5)-試験科目の「歴史」-
(前頁より続く)
私が若い頃に読んだ本に、日本は古代から現代まで同じ日本人民族が住んでいるが、 実は、このことは世界史的に見ると唯一特殊なことであると書いていましたが、本当 にそうだと思ったのでした。
上記の高校世界史の教科書にも出て来る有名な古代文明(ギリシャ文明、インド文明、 中国文明)を生んだ民族も、戦いによる民族の興亡、支配者の入れ替わりによって 四散してしまって今はどこにどうしているのか分からないのです。
現在、古代文明が生まれた地域に住んでいる人達は、その古代文明を生んだ民族とは 関係が無いのです。ギリシャ文明を生んだ民族と現代ギリシャ人は民族的に関係が無 いのです。他の古代文明もギリシャ文明と同じです。
日本と同じような島国に、イギリスがありますが、イギリスは島国ではあっても大陸 に近いのと地形的に異民族の侵略を受けやすいため、民族は入れ替わってきたのでした。
日本人に生まれ育って、ずっと日本に住んでいると、空気のように日本の状況をごく 当たり前のことと考えてしまいますが、世界の観点からみると唯一特殊なことなので した。
( ヨーロッパ史はキリスト教の教会史がメインなのだった )
3、ヨーロッパ史の中世は、キリスト教の教会史がメインになると思うのですが、 そこが適切に捉えられていないため、世界史教科書のヨーロッパ史はピントはずれと 思われる記述が見られます。
私もキリスト教に関しては、本で読んだ以上の知識は無いのですが、多くの日本人に とってキリスト教の教会史を適切に捉えるのは、とても難しいです。私は以前、用事が あってスペインの首都、マドリッドを訪ねたことがありました。そして、空いた時間に、 有名なプラド美術館を訪ねたのです。
( プラド美術館には大量の宗教画があった )
その美術館には、日本でもよく知られていて、学校の美術の教科書にも出てくる 「着衣のマハ」「裸のマハ」などがありました。しかし、プラド美術館を圧倒的に満た しているのは実に大量のキリスト教の宗教画でした。
それらの大小の宗教画は、かっては教会の中に掲示されていて人々の生活と密着して 人々の生活の中心にあったのだということを、これでもかというほど私は分からされ ました。ヨーロッパ史における、かぎりなく圧倒的なキリスト教の存在を、私は思い 知らされたのです。
日本の美術の関係者、美術教育者は、沢山のキリスト教の宗教画を扱いかねて学校の 美術の教科書には出てこないのです。そして、プラド美術館の中ではあまり目立たない 所にあって、キリスト教との関係が無さそうで一般的と考えられる「着衣のマハ」 「裸のマハ」などの絵画がヨーロッパの絵画の代表の一つであるかのように、学校の 美術の教科書で生徒に紹介されるのです。
日本の学校の美術の教科書ではヨーロッパの絵画のありのままの姿が紹介されていない のです。何か一部を全体であるかのように紹介しているのです。例えば、有名な例え話 ですが、象を説明するのに、象のシッポだけの絵を見せて「これが象という動物です」 と生徒達に説明しているのです。何ということでしょう!
( 入学試験の歴史は真剣な反省と改善が必要だ )
話は戻りますが、2009年9月に総理大臣になった M党の創立者 H氏は、18,19歳 の若い時に、歴史辞典から歴史用語を拾って、その用語を繋(つな)ぎあわせたような 文章を読んで頭にたたき込むという受験の苦行に耐えて T大に入学したのですが、 その苦行により得た知識の歴史観に生涯縛られて、ルーピーになってしまったのです。
そして、H氏の後を継いで首相になった政治家達も T大に準じた大学の卒業生であり、 H氏に似たり寄ったりでした。
そして、今度の衆議院議員総選挙の直前になって上記のように三つに分かれた人たちも、 党首などの主要な人たちは 、やはり、H氏に似たり寄ったりなのです。
T大や T大に準じた大学は、入学試験の歴史については真剣な反省と改善が必要です。 少なくとも上記の T大名誉教授の E氏のような人に問題を作成させてはいけません。
E氏は「騎馬民族征服王朝説」を唱(とな)えて有名でしたが、ある若い学者の方に、 「馬に乗った天皇は「古事記」や「日本書紀」に出て来ないのだから、騎馬民族征服 王朝説は矛盾している。」という趣旨の質問を受けて、 E氏は、狼狽(うろた)えて しまい、「そうなのか、困ったな」というようなことを言って、何も答えられなかった のです。そして、この質疑をこの講演会の議事録に記録することを拒否し、掲載させな かったのでした。
こんないい加減な人に歴史の試験問題を作らせていたら、T大はこれからもルーピーな 政治家を生みだし続けます。国民は大迷惑を被(こうむ)ります。
次回は、おかしな歴史観の薬(解毒剤)について話します。
(次頁へ続く)

