(2023/9/1)

日経新聞記者の日本経済論を読む

「新・日本経済入門 三橋規宏、内田茂男、池田吉紀 日本経済新聞 出版社 2015年3月19日 1版1刷」を読みました。

著者は3人とも日経新聞記者 OB です。つまり、日本の経済ジャーナリ ズムを代表する人達であり、彼らの意見が日本経済に大きく影響して いるわけです。

通読して思ったのは、著者は現在の10%という消費税に全く問題意 識を持っていないことです。著者は言います「所得税中心主義に風穴 があいたのは、八九年度(八八年税制改正)である。この年から税率 三%の消費税が導入された。こうして高齢化社会対応型の税構造への 転換に向けて第一歩が踏み出されたが、デフレ経済のもとでその後、 ほとんど歩みを止めてしまった。」(181頁)

つまり、現在消費税は10%になっているわけですが、著者はその歩 みは遅いというわけです。

しかし、私が考えるに、消費税こそが日本経済にのしかかってデフレ 経済の不況を招いています。何たる認識の違いでしょうか。

( 著者が消費税を肯定する理由は何か )

では、本書の著者が消費税を手放しで肯定している理由は何なのでし ょうか。それは「早くから高齢社会を経験しているヨーロッパ諸国は、 いずれも消費税中心の税構造を定着させてきている。」(180頁) からだというのです。

つまり、ヨーロッパ諸国が消費税中心の税構造を定着させてきている からであって、自分で日本の税制を勉強して、日本の税制はこうある べきであると考えたものではないのです。なんたる不勉強でしょう。 けしからんことです。

著者3人の学歴を見ますと、2人は慶應義塾大学経済学部卒、1人は 横浜国立大学経済学部卒です。横浜国立大学のことはよく分かりませ んが、慶應義塾大学の建学者は有名な福沢諭吉です。

福沢諭吉の建学の精神は確か「独立自尊」です。私は慶應義塾には何 の関係もありませんので福沢の独立自尊の中味はよくは分かりません。 しかしながら、独立自尊には知性の分野も含まれていると考えられます。

「ヨーロッパ諸国が消費税中心の税構造を定着させてきている」から 日本もそうせよという主張は、思考停止であり、独立自尊を掲げる 福沢諭吉の最も忌み嫌うところと考えられます。

慶應義塾大学経済学部卒の日経新聞という大経済新聞社の記者が、 上記のようなヨーロッパ諸国と同じようにしよう、などという思考停止 の論説を張っていると福沢が知ったら「馬鹿者、独立自尊を忘れたのか、 慶應義塾大学経済学部で何を学んだのだ、税制を勉強をして、自分の 頭であるべき税制を考えろ。」と怒ります。

( 福沢諭吉の原点に帰れ )

慶應義塾大学経済学部の卒業生は、原点に戻って福沢諭吉の言葉をよく よく考えてほしいものです。人々の日々の生活の消費に一律10%の 税金をかけるというのは常識を逸脱しています。狂気です。

昔の強欲な代官だって考えなかったことです。しかし、東大法学部卒の 財務省官僚は10%を超えてもっと消費税税率を上げようとしています。 これに対し、在野である慶應義塾大学経済学部卒の日経新聞記者も、 まるで呼応するかのように消費税増税に前のめりに肯定的です。

これでは将来に向かって消費税税率が上がっていくのを避けようがあり ません。

安倍首相は、経済を考えて必死に消費税増税を延期しました。しかし、 安倍首相は殺されてしまいました。もはや国民経済を考えて消費税増税 を阻止してくれる人はいないのです。私が考えるに、安倍首相は消費税 10%という狂気に殺されたのです。

国民は、自分で色々対策を考えなければなりません。まず第一に節約 生活を心がけなければなりません。国民全員が節約生活すると「合成 の誤謬」によって不況になると経済学は教えてくれます。

しかし、権力の財務省と大経済新聞の日経新聞が車の両輪になって 消費税増税に全力を尽くすとき、合成の誤謬という経済学の原理など言 ってはいられません。

( 節約生活から始める )

まずは節約生活、次に人それぞれに何とか少しでも収入を増やすことを 考えなければなりません。

ものごとを考えるとき、「これからどうなるか」論と「これからどう あるべきか」論の二つがあります。この二つは峻別して考えなければなり ません。

「新・日本経済入門 三橋規宏、内田茂男、池田吉紀 日本経済新聞出版社  2015年3月19日 1版1刷」は、色々腹は立ちますが、「これか らどうなるか」論を考えるとき大きな参考になるのでした。

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(了)