参議院選挙の結果を考える
2022年7月10日、参議院選挙の投票が行われました。 投票日翌日、駅の売店で朝刊三紙を買ってきました。私は、普段は 新聞は取らずに、選挙のようなことがあった時に駅の売店で買って 読むようにしています。
販売数が一番多いというY新聞を見てみます。開票が全部終わって いない段階(残り11)での報道ですが、態勢は決しています。
参議院の新勢力は、自民118(111)、立民36(45)、 公明26(28)、維新19(15)、共産11(13)、 国民9(12)、れいわ4(2)、社民0(1)、N党1(1)、 諸派・無所属13(15)となっています。()内は公示前の勢力 です。
この数字を見て、選挙の勝ち負けを大ざっぱにつけると、自民の勝ち、 立民の負けです。私が、この理由を考えるに、ロシアのウクライナ への侵略です。
テレビでは、連日ロシアに侵略されて悲惨な状況になっている ウクライナの惨状が報道されています。現場の画像は強烈です。
テレビで、軍事大国に侵略された国の悲惨な状況を見せられると 恐怖心に襲われます。外交や話合いの無力を見せつけられるのです。
国の安全保障に対する、自民、立民、の姿勢の違いが、この 選挙結果に現れたのです。
では、各紙の一面見出しを見てみましょう。Y新聞 「与党大勝改選過半数」、A新聞「自民獲得議席過半数」、 S新聞「改憲勢力3分の2維持」。
Y新聞はプロ野球球団を宣伝に使っているだけに、スポーツ新聞的 な興奮を感じます。大勝というのは少し大げさかなと思います。 A新聞は選挙結果の事実を淡々と伝えながらも、「こうなったか、 残念だ」という不満を感じさせます。S新聞は、とにもかくにも自社 の関心を前面に出している感じです。
こうして見比べてみると、一面見出しには各社の姿勢の違いが現れて いるものです。
次に、一面の写真を見てみましょう。Y新聞は3枚の写真を使ってい ます。一番大きい写真は、嬉しそうな岸田首相です。「インタビュー に答える岸田首相」と写真説明がついています。二番目は立民・泉代表 です。「厳しい表情で報道各社のインタビューに臨む立憲民主党の 泉代表」と写真説明がついています。三番目は維新・松井代表です。 「参院選について語る日本維新の会の松井代表」と写真説明がついて います。
一方、A新聞は、インタビューに答える岸田首相の1枚だけです。 S新聞も岸田首相の1枚だけです。当選確実な候補に花をつけています。 こうして一面の写真を見比べますと、Y新聞は視覚に訴えようという 姿勢が目立ちます。一方、A新聞とS新聞には、視覚に訴えようという 姿勢はあまり見られません。
では、各紙が今回の選挙結果になった理由をどう考えているかを社説から 見てみよう。Y新聞は「有権者は政治の安定を期待した」と考えている。 A新聞は「野党各党が独自路線をとり、候補者が競合した」と考えている。 S新聞は「日本の安全保障環境が厳しさを増している」と考えている。
選挙結果に対して、三者三様に考えているわけです。三社の中で的を 射ているのはS新聞です。国民はテレビで毎日、ロシアのウクライナへの 侵略を目の当たりにしています。
ウクライナ人は、ロシアに一方的に攻め込まれてミサイルで建物を壊され、 住むところを追われ、安全なところを求めて逃げて避難しています。 このような状況をテレビで毎日見させられたら、国民はいやでも 「日本の安全保障環境が厳しさを増している」ということを思い知ら されます。
国民は、たとえ不満があっても、厳しさを増している日本の安全保障環境 に少しでも具体的な対策を取ってくれそうな自民に投票したのです。国民は、 厳しさを増している日本の安全保障の対策として外交と話合いを強調する 立民に不安を感じて投票しなかったのです。Y新聞の「有権者は政治の安定を 期待した」という考えは的をはずれています。A新聞の「野党各党が独自路線 をとり、候補者が競合した」という考えは更に大きく的をはずれています。
( 安倍元総理が銃撃された )
この参議院選挙投票日2日前、安倍元総理が選挙応援演説中に銃撃されて 亡くなるという悲惨な事件がありました。私が考えるに、この事件は、 参議院選挙結果には、ほとんど影響はなかったと思います。
それよりも、安倍元総理の突然の喪失、いなくなった事実はこれからの 日本に長く深い影響を与えると思われます。安倍元総理を肯定していた人 にとっても否定していた人にとっても、安倍元総理の喪失感が現在、 日本を覆っているのを感じます。
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「月刊 Hanada 9月特大号」は「安倍晋三元総理追悼大特集号」です。 この特集号に、7年8カ月にわたって第二次安倍政権の官房長官として 安倍総理に仕えた管義偉前総理の「独占手記 私と安倍総理」が載って います。
この「独占手記 私と安倍総理」を読むと第二次安倍政権時代の安倍元総理 と管義偉官房長官がどれほど深い信頼で結ばれて国政を進めていたかが 分かって胸を打たれます。この時代、国民は政治に安心していたのでした。
実は、私が30代後半で転職した会社では、上場を果たして安定した 経営を続けていたとき、創業者会長が社長を突然追放するという「事件」 が起きました。
その社長は創業時から創業者会長に忠実に仕えてきた人でした。その後、 会社は混乱し、潰れてしまうのではないかという不安を感じました。
何年も経って、会社は何とか安定を取り戻しました。その間、創業者会長 が急死するという事態もありました。会社で、こうしたことを経験した私 は、国政という高いレベルで安倍総理と管義偉官房長官が信頼し合って 仕事を進めたことに胸を打たれ、日本は幸せな時代であったと思うのです。
今回の事件で感じたのは、日本語の言語空間で言われている安倍元総理と 英語の言語空間で言われている安倍元総理のあまりにも大きな違いです。
現在、英語は国際語の地位を確立しています。英語の言語空間は世界の 言語空間です。私は英語の新聞を読むことはできませんので直接に英語の 言語空間を読み取ることはできません。しかし、テレビから漏れ聞こえて くる世界の安倍元総理に対する評価は極めて肯定的であることを感じ取る ことができます。
日本の安全保障は明らかに厳しさを増しています。日本語は、残念なことに、 国際社会の中で孤立した言語です。われわれ国民は、日本のテレビ、新聞が 作り出す一方的で歪な(いびつな)日本語の言語空間に引きずられることなく、 世界の英語の言語空間がどうなっているかに耳を傾けることをしなければ ならないと思うのです。
(了)[追記]
安倍元総理が選挙遊説中に銃撃されて亡くなるという不幸がありました。 実に残念なことです。安倍元総理のご冥福をお祈りいたします。安倍政権の 功績はいくつもありますが、何といっても、3年間の民主党政権によって ガタガタになった日本政治を立て直したことです。
民主党政権はテレビ、新聞に煽られたわれわれ国民が作りました。つまり、 われわれ国民が、あの絶望の民主党政権を作ったのです。東日本大震災で 大きな被災を受けた県に民主党政権の災害担当大臣が乗込んで、県知事に 向かって「ちゃんとやれ。ちゃんとやらなければ国は何もしないぞ。」と 恐ろしい顔で言っていた姿を私は忘れることができません。
その絶望の民主党政権の政治を安倍総理は管義偉官房長官と組んで完全に 立て直してくれたのです。何よりもこの点について、私は安倍総理と 管義偉官房長官に深く感謝するものです。
国民が新聞に煽られて大きな間違いを犯すのは、日露戦争から始まりました。 当時、日本は何とかロシアに勝ってポーツマス条約を結びます。しかし、 新聞は、このポーツマス条約を不満として国民を煽ります。
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「百田尚樹日本国紀 2018年11月10日第1刷発行 2018年11月25日 第4刷発行 幻冬舎 」は言います。「当時の朝日新聞は九月一日、「大々屈辱」 「講和憤慨」「日本政府自ら日本国民を侮辱するに当る」などという激烈な記事 を書いている。ー中略ー九月五日には、東京の日比谷公園で、条約に反対する 国民集会が行われたが、民衆は暴徒と化し、内務大臣官邸や周辺の警察署、派出所 を襲撃し、東京市内の十三カ所に火がつけられた。ー中略ーこの流れは、大正に 入って鎮火したように見えたが、昭和に入って再燃し、日本が大東亜戦争に なだれ込む一因ともなったのである。」(325頁)
対米戦争(太平洋戦争)後は、新聞にテレビが加わってマスコミは一層強くなり ました。しかし、現代はインターネットが大普及して、真実の情報を取ることが 可能になりました。
これからも新聞テレビのマスコミは、繰返しわれわれ国民を煽ってき ます。私たちは、インターネットを使って真実の情報を知ることによって、 これまでのように、新聞テレビのマスコミに煽られて、絶望の民主党政権 を作るような大きな間違いを犯すことのないようにしなければなりません。
前回の民主党政権の絶望は、安倍総理と管義偉官房長官が立て直して くれました。奇跡でした。しかし、奇跡は二度はないということを われわれ国民は、肝に命じて、これからは決して新聞テレビに 簡単に煽られないように十分慎重な国民にならなければなりません。


