東京オリンピックで考えさせられた事(2止)
(前頁より続く)( 副大臣は外国の団体に通報した )
次に、開会式の演出に係わったアーティストが過去の芸人時代にドイツ ナチスのユダヤ人虐殺事件を不適切に取上げたことがあるということを 政府の副大臣が外国の団体に通報したという出来事がありました。
副大臣という政府の要職にある人が国内の不祥事を上司の大臣や内閣に 報告することなく、いきなり外国の団体に通報したことが驚きでした。
今回の副大臣の驚きの出来事に関連して、戦争中に政府の要職にあった 人がその立場上知り得た政府の機密を外国に流し続けたという信じがた い大事件があったことを思い出しました。
( 国の機密を外国に流し続けた大事件 )
1937年発足した近衛内閣(一次)の内閣嘱託の尾崎秀実(ほつみ) が政府の要職として知り得た機密をソ連(現ロシア)に流し続けた大 事件です。
インターネットによりますと、尾崎秀実は政府の要職にあるだけでなく、 近衛首相の朝食会にも参加していました。この近衛首相と尾崎秀実の 関係は近衛内閣(二次)近衛内閣(三次)と続きました。
そして、近衛内閣(三次)が終わる1941年まで続いたのです。この 1941年、尾崎秀実の犯罪は発覚し逮捕されたのです。
この時代は、対中華民国戦争(日中戦争)、対米戦争(太平洋戦争)と いった大変な戦争の厳しい国難の時代でした。この時代に尾崎秀実は 内閣嘱託、近衛首相の朝食会メンバーとして知り得た国家情報をソ連 (現ロシア)に流し続けていたのです。
尾崎秀実逮捕によって、その事を知った近衛首相は驚いて、昭和天皇に 謝ったのです。しかし、申し訳ありませんで済むことではありません。
( その時の首相はマヌケなのだった )
近衛首相はマヌケそのものです。近衛首相は名前からすると公家の出で しょう。こんなマヌケな人が大変な戦争の厳しい国難の時代に三次まで 組閣したのですから国民はたまったものではありませんでした。
近衛首相の娘さんの子供、つまり孫が戦後、総理大臣になったことが ありました。近衛首相の孫だけにどこか抜けた感じの人でした。育ちが 良いということで悪い人たちに担がれたのでしょう。首相在任が1年も ないという短期間だったので国民は助かりました。
ところで、内閣嘱託及び近衛首相の朝食会メンバーとして知り得た国家 機密をソ連(現ロシア)に流し続けていた尾崎秀実とは、どのような 人物なのでしょうか。歴史の教科書に書かれることがありませんので私 は長い間知りませんでした。多くの人も知らないと思います。
インターネットによると、1901年岐阜県生まれ、東大法学部卒、 大新聞社記者などを経て内閣嘱託及び近衛首相の朝食会メンバーとなる のです。
( その人は外国に有利になるように論陣を張った )
その間、国家機密をソ連(現ロシア)に流し続けるとともに、大新聞や、 大雑誌にソ連(現ロシア)の利益になる記事、論文を書き続けたのでし た。
私は直接に尾崎秀実の記事、論文を読んだことはありませんが、大変な 筆力の持ち主のようです。いわゆる筆の立つ人です。尾崎秀実の父親も 新聞記者であり、尾崎秀実の筆力は父親譲りです。
尾崎秀実の異母弟は作家・文芸評論家であり兄、秀実に関連する著作を 出しました。尾崎秀実の妻は叔母の娘、つまり従姉妹(いとこ)でした。 そして、妻は逮捕された夫の獄中からの手紙を書簡集として出版しました。
こうして見てくると、尾崎秀実の血族は、実に筆の立つ一族です。そして、 一族の結束は固いのです。尾崎秀実が逮捕された大罪は一族の結束を乱す どころか、一層結束を固くしているように見えます。
そして、この一族の男女関係に関する感覚には異様を感じます。尾崎秀実 の父親は愛人を持っていて子供を生ませます。その子が、上記の秀実の 異母弟で作家・文芸評論家です。
そして、上記の秀実の従姉妹(いとこ)でもある妻は最初は秀実の実兄と 結婚し、後に義弟、秀実と不倫の末に結婚します。尾崎秀実のほうから見 ると義姉と密通して結婚するわけです。
ドロドロの世界を感じさせ、普通の神経の持ち主には想像がつきません。 尾崎秀実とその後の実兄との関係はどうなるのでしょう。
更に、尾崎秀実はソ連(現ロシア)の女工作員スメドレーと男女の関係に なり情交を重ねます。こうして書いてくると、尾崎秀実一族の男女関係に おける異様な感覚とエネルギーを感じさせられます。
尾崎秀実が国家機密をソ連(現ロシア)に流していた理由は共産主義思想、 女工作員スメドレーとの情交、そして想像ですが金(かね)です。
( 悪人はマヌケな首相を担いで利権を狙う )
このような異様な人間に何も感じずに全く疑わずに信頼していた近衛首相 はどれほど無感覚でマヌケな人間なのでしょう。悪人は、近衛首相のよう な育ちが良くてマヌケな人間を担ぎ上げて利権を得ようとするので実に恐 ろしいことです。そのツケは全部国民が負わされてしまいます。
オリンピック開会式の演出に係わったアーティストが過去の芸人時代に ドイツナチスのユダヤ人虐殺事件を不適切に取上げたことがあるというこ とを政府の副大臣がすぐに外国の団体に通報し、その団体から抗議が来た 出来事から、日本の戦争の苦難の時代に尾崎秀実が内閣嘱託、総理大臣の 朝食会メンバーとして知り得た国家機密情報をソ連(現ロシア)に流し続 けていたという恐ろしい事件が思い出されたのでした。
もちろん事件の規模は全く異なり、どのような理由があるのかも分かりま せんが、副大臣という政府の要職にある人が自分の職務以上に外国の団体 との関係を優先しているということが国民としてヒヤリとさせられたので した。
(了)