(2021/5/1)

会社員は心を鍛えて苦境を乗り越える(5止)

(前頁より続く)

( 会社はこの世の地獄になることがある )

会社は、皆で働いて給料をいただける有難いところです。しかし一転、いつ でも凄まじい弱肉強食の、この世の地獄にもなるところです。

会社は成長期には多くの人を雇い、反対に経営者が縮小期に入ったと判断 すると、手段を選ばずに非情なやり方で多くの人を会社の外に出そうとしま す。

最近は、経営者が経営判断を誤って会社が傾くと、大企業ほど経営者は 「社員が無能だからだ」と自分の経営判断の誤りを社員に押し付けて自分 だけが生き残ろうと見苦しい卑怯な言動をします。

随分前ですが、大手証券会社の Y証券が倒産した時、社長は「悪いのは自分 たち経営者であって社員は悪くありません」と涙を流して謝ったことがあり ました。しかし、このような社長は稀有(けう)の存在です。

最近のほとんどの大企業の社長は、会社の経営が傾くと、自分の無能は棚に 上げて、責任を社員に押し付けて見苦しい言動に終始するのです。NHKの 日曜の朝の討論番組には各界の代表が出て討論しますが、最近の経済界の 代表は誰よりも顔が卑しく見えます。

あれは「何をしても自分が金さえ儲かればいい」という顔です。お金を儲け ることは大事なことですが、お金を儲けるやり方が正々堂々としていること が何より大事です。

( 現実の企業には終身雇用も年功序列も無い )

終身雇用とか年功序列というものは、昔も今も現実の企業の世界ではどこ にもありません。終身雇用とか年功序列というのは、大学の研究室で本ばか りを読んで、あちらの本こちらの本から寄せ集めて論文と称するものを書く ばかりで、現実の企業を見ようとしない経済学者と称する人の頭の中にだけ あるものなのです。

経済学者は、経済学の祖アダム・スミスを見習って企業の現実を見る方法を 研究に取り入れてほしいものです。アダム・スミスは工場の現場を見て、 国富論の冒頭に有名な分業論を書いたのでした。

今も、アメリカの優れた経済学の書を読みますと、大学の研究室で本を読ん で考えているだけではなく、現実の企業への強い視線を感じます。

会社員になった人には、いくつかの道があります。会社員としての能力に あふれて、出世街道をひたすら走り上がることができる人を別にしますと、 1.定年まで勤める、2.途中で転職する、3.自分で起業する、などです。

多くの会社員にとって、いずれの道も厳しい道です。会社を取り巻く日本 経済は変化が速くなり、会社員にとって厳しさを増しているように見えます。

学校を出て会社員になった人は、若い時から「エピクテトス 提要」を繰り 返し読んで、リストラ、早期退職など、どんなことがあっても心を乱さずに 対応できるように自分で自分の心を鍛えることを強く勧めるものです。

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(了)