(2021/5/1)

会社員は心を鍛えて苦境を乗り越える(2)

(前頁より続く)

( エピクエトス 提要を読む )

「ある物事にはわれわれの力が及び、他の物事にはわれわれの力は及ばな い。われわれの力が及ぶものは、判断、努力、欲望、嫌悪など、一語で いえば、われわれの意志の所産である一切である。われわれの力の及ば ないものは、われわれの身体、財産、名誉、官職など、われわれの作為で ないところの一切である。( 中略  )こうして、君が採った原則、 ことに、それがはたしてわれわれの力の及ぶものかどうかという第一の 原則に従って吟味するがいい。それがわれわれの力は及ばないものに属 しているなら、つぎの言葉を用意しておくことだ。「それは私にかかわり のあるものではない。」」ヒルティ著作集1、幸福論1、訳者氷上英廣  1978年9月5日再版第一刷発行 白水社。

こうして、簡潔で力強い教えが続くのです。なお、ヒルティはスイスの 法律家であり、法律家以外にも重要な仕事にいくつも従事しました。 そして、重要な著作も行い、「エピクテトス 提要」を若い人達の教育に 役立つということで、翻訳して紹介したのです。

日本では、現在、ヒルティ幸福論1は岩波文庫に収められており、極めて 容易に入手することができます。私は、中年期に入る頃、初めて 「エピクテトス 提要」を読み、その後何度も苦しい時は特に繰返して 読んできました。

( 私は降格人事を受けた )

私は定年まで後(あと)3年というところで、降格人事を受けて、それまで 働いていた職場を追放されました。会社内は流行の「成果主義」が吹き荒 れていて、雰囲気は荒(すさ)んでいました。

人事部は、管理職に対して「成果主義」に基づく厳しい人事考課を要求し、 その要求に応えて部下に低い人事考課を出す管理職を高く評価するのでし た。そして、人事部は降格人事を含めて、低い人事考課を使って給与を 下げて総人件費を切下げていくのです。

私が定年まで勤めた会社は、今も、この方法で人件費を切下げたり、人員 削減で人件費を切下げたりというやり方で、縮小均衡の経営をやっている ようです。

この経営を突き詰めていくと、いずれは、年々、小さくなっていって日本 経済からフェードアウトしていくしかないでしょう。経営方針を転換しな ければなりません。

私が定年を3年後に控えて降格異動になった部署はいわゆる日の当たら ない部署でした。しかし、日は当たらなくても、会社の仕事はやはり難し い部分がいくつもあり、忙しいのでした。

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