会社員は心を鍛えて苦境を乗り越える(1)
新年度を迎えて多くの若い人が学校を出て社会人としての活動を始め る季節になりました。私も50年前、学校を出て会社員になったのでした。
定年になって随分になる今、振り返ってみて、学校を出て社会人にな った時に「エピクテトス 提要」を読んでおきたかったなとしみじみ思 うのです。
「エピクテトス 提要」はストア哲学の本です。私が、この本に出合っ たのは、既に中年期になる頃でした。私は、その頃、会社員生活に苦し んでいました。
そして、この本に出合って、苦しいだけの会社員生活から何とか抜け出 すことができたのでした。
会社に入りますと、仕事を覚えて遂行していかなければならないのは当然 のことですが、仕事以外に厳しい人間関係にさらされます。学校時代にも 人間関係がありますが、会社の人間関係は、上司、同僚、部下、といった 学校時代とは次元の違う異質の厳しさがあるのでした。
私もそうでしたが、多くの人は無自覚無防備で、そのような厳しい人間関係 が待っている会社員生活に入っていくと思うのです。
私は、何とか生きてきましたが、厳しい会社員生活の環境の中で、途中で 人生を挫折してしまう会社員を見ることがありました。
日本の学校では、記憶力を中心とした勉強、体力を強くしたり運動神経を 良くするための体育を教えてくれます。もちろん、これらは大切なことで す。しかし、これだけでは人生を生きる上で足りないのです。
( 日本の学校教育には、「心を鍛える」ということが無い )
日本の学校教育には、「心を鍛える」ということがすっぽりと抜けているの です。良き時代の西洋においては、ギリシャ、ローマの古典教育によって 若い人たちの心を鍛えていたのでした。
その伝統は今も欧米に生きています。何年か前のアメリカの国防長官は、 愛読書としてギリシャ、ローマの古典を上げていました。確かに、その 国防長官の風貌はいかにも心を鍛え上げた風貌でした。
さて、「エピクテトス 提要」の話をしましょう。エピクテトスは古代 ローマのストア哲学者です。ストア哲学は英語のストイックという語の 語源です。
哲学といっても何を言っているのか分からない哲学用語を羅列するような、 哲学科の先生が給料をもらうため以外には何の役にも立たない、現代の 哲学の本とは異なり、ストア哲学は実践的で簡潔です。
その実践的で簡潔なところが非常な魅力です。では、実際に最初の所を 読んでみましょう。
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