(2021/5/1)

厚労省の官僚は、なぜコロナ禍でも歓送迎会の宴会をやるのだろうか?(1)

新型コロナウイルスは、なかなか収束する気配が見えません。厚労省は、 国民に対し、飲食店の時短営業、国民の宴会自粛、などを要請して 新型コロナウイルスの収束を目指しています。

こうした中にあって、厚労省の官僚たちが歓送迎会の宴会をやって批判 されています。国民に自粛を要請しながら自分たちは歓送迎会の宴会を やるのか、という批判です。

当然の批判です。部下の中には「このようなコロナ禍で歓送迎会の宴会 をやってもいいのでしょうか」と上司の課長に聞いた人もいたようです が、上司の課長は「いいんだよ」と答えたというのです。

そして、歓送迎会の宴会を派手に夜遅くまでやって批判されたわけです。

国民には、「やるな」と言っておいて自分たちはやるのですから大批判 されて当然です。いったいなぜこのような事が起きるのでしょうか。

( 宣戦布告の前夜、大使館には誰もいなくて無人だった )

やってはいけない危機の時に、歓送迎会の宴会をやった事件といえば、 対米戦争(太平洋戦争)のときのアメリカに対する宣戦布告のときの ことが思い出されます。

その日の夜、アメリカの日本大使館に向けて日本から明日の午後1時に 宣戦布告の書類をアメリカに手渡せという指示の電報が入ります。

しかし、この時、大使館には誰もいなくて無人でした。送別会があって 全員、その送別会に行ってしまったのです。

翌日は日曜日で、休日出勤当番の人が出勤して来て、宣戦布告の書類を 見ます。あわてて大使に連絡を取って、ドタバタしているうちに、 1時間遅れて午後2時に手渡したのでした。

その時、既に日本軍は真珠湾を攻撃した後でした。「百田尚樹 日本国紀」 は次のように記述します。「昭和十六年(1941)年十二月八日未明、 聯合艦隊の空母から飛び立った日本海軍の航空隊はハワイの真珠湾に 停泊するアメリカ艦隊を攻撃した。日本軍は戦艦四隻を撃沈し、 基地航空部隊をほぼ全滅させた。この時、在アメリカ日本大使館員の 不手際で宣戦布告が攻撃後になってしまった。」385頁 

百田尚樹氏は「不手際で」とだけ書いていますが、不手際の内容は当番 を置かずに全員が送別会に行ったということだったのです。開戦前夜の 緊張感が全く無かったのです。

この「不祥事」はアメリカに「日本は攻撃をしてから宣戦布告を持って きた。卑怯な国だ」とアメリカの国内外に宣伝されてアメリカ国民の 戦意高揚に徹底的に利用されます。

そして、この戦争に妥協は無く、どんな犠牲を払ってもトコトンやれと なったのです。

( 日本は決戦となったミッドウェイ海戦で完敗した )

その後、決戦となったミッドウェイ海戦で完敗し、日本は敗戦への道を まっしぐらに辿(たど)ったのでした。

なぜ日本がアメリカに負けたのか、私は長く生きてきましたが、納得の いく説明を聞いたり読んだりしたことはありませんでした。国力が違う ということを言う人が多いのでした。

しかし、対露戦争(日露戦争)の時は、「ロシアの国家歳入約二十億円 に対して日本は約二億五千万円、常備兵力は約三百万人対約二十万人だ った。」 百田尚樹 日本国紀315頁。

実に巨大な大差です。それでもロシアに勝ったのです。対米戦争 (太平洋戦争)の敗戦の原因を国力の違いに求めることには無理があり、 到底納得できるものではありません。

(次頁へ続く)