(2020/11/1)

日本学術会議について考える(2止)

(前頁より続きます)

この川勝平太静岡県知事の意見は、建設的な意見とは言いがたく、 とにかく菅義偉首相という個人が気に入らないという 個人攻撃になってしまい、そのため見苦しいほどに大きく批判の ピントがずれていて、静岡県知事ともあろう方(かた)がどうした ことなのだろうと思ってしまいます。

菅義偉首相は秋田県の農家の出身であり、上京して働いたりしな がら法政大学を卒業しています。決して恵まれた素晴らしい出身と いうわけにはいきません。

一方、川勝知事は生まれ育った家の事は分かりませんが、京都の 中高一貫教育のカトリック系私立名門校から早稲田大学に進学、 英国オックスフォード大学留学と、いかにも育ちが良さそうです。

それなのに、人生の行き着いたところは同じ政治家ではあっても、 総理大臣と県知事ということで、政治家としての地位そして仕事の 内容に天地の差があります。

川勝知事の心に押さえがたい嫉妬心が湧き上がってしまったので しょうか。嫉妬心は御し難い、ということを若い頃、本で読んだこと があります。

地位、権力に対する男の嫉妬心には恐ろしいものを感じさせます。 川勝知事は菅義偉首相に対する嫉妬心によって平常心を失ってしま ったのかもしれません。

しかし、川勝知事の双肩には静岡県民の期待がかかっているのです から、早く平常心を取り戻して、ご自分の静岡県知事の仕事に集中 してもらいたいものです。

ところで、このサイトでは、安倍首相(当時)に対して、過去に 総理大臣であった元首相たちが何度も激しい批判をするのはなぜだ ろうか、というテーマを考えたことがあります。

色々調べたり考えたりした結果、最後には7年8カ月にもなった 安倍政権の長さに対する元首相たちの押さえがたい嫉妬心のなせる こと以外、理由が考えられないのでした。

元首相たちの中には、総理大臣の期間がわずか数ヶ月という方(かた) もおられました。長い方でも5年ぐらいです。自分より長く総理大臣を 勤めている安倍首相(当時)に対する嫉妬心が押さえられないようでした。 総理大臣という位人臣を極めた方は、その職を引退したら高尚な趣味などに 打ち込むようにして、定年退職した会社員などの立派な手本になって ほしいものです。

そして、国民の前で、嫉妬心を露(あら)わにして醜態をさらすよ うな言動は避けてほしいものです。暇を持てあましている元首相達が、 嫉妬心による安易な政権批判をツイッターなどで発信し、新聞の空き スペースの埋め記事に使われるなどは、醜態としか言いようがあり ません。

総理大臣という政治のトップであった方々(かたがた)のそのような 醜態は、国民として決して見たくない風景です。

少し話が逸れました。元に戻って、次に日本学術会議は問題 があるので見直しが必要であるという奈良林直北海道大学名誉教授の 意見です。

「学術会議が力を入れているのが、「軍事研究の禁止」を旨とした 防衛省関連研究の否定である。実例を一つ挙げる。北大は2016年度、 防衛省の安全保障技術研究推進制度に応募し、微細な泡で船底を覆い 船の航行の抵抗を減らすM教授(流体力学)の研究が採択された。

この研究は自衛隊の艦艇のみならず、民間のタンカーや船舶の燃費が 10%低減される画期的なものである。このような優れた研究を学術会議が 「軍事研究」と決めつけ、2017年3月24日付の「軍事的安全保障研究に 関する声明」で批判した。(〜中略〜)

学術会議は2015年、中国科学技術協会と相互協力する覚書を 締結している。中国による少数民族の抑圧、香港の弾圧、南シナ海の 軍事基地化といった強権的行動に国際的な批判が強まる中で、日中 学術協力の抜本的見直しが必要ではないか。」

以上が奈良林直北海道大学名誉教授の意見です。

結局、上記のM教授は日本学術会議の批判によって、ご自分の研究の 防衛省の安全保障技術研究推進制度への採択を辞退されたというのです。 これは確かに問題です。

今回の「日本学術会議の一部の会員について 政府が任命を拒否したということ」に対し反対する人たちの理由は 川勝平太静岡県知事を始め多くが「学問の自由が犯された」ということです。

しかし、現代の日本においては日本学術会議の会員であろうがなかろ うが学問は、その成果の発表を含めて、やりたければ誰でも自由にで きるわけです。今回の任命拒否によって「学問の自由が犯された」と いうことが反対の理由には全くなりません。一体、どのような理由から 「学問の自由が犯された」ということになるのか、まことに不思議です。

逆に日本学術会議こそが上記のM教授の研究を批判し、強い圧力をかけ ているわけです。奈良林直北大名誉教授が言われるように、これを機会 に政府による日本学術会議の徹底的な見直しがされることを国民の1人と して真剣に期待するものです。

日本学術会議には、年間10億5000万円、10年で105億円という 多額の税金が使われています。

罰金と言ってよい消費税10%と新型コロナウイルスによる大不況によって 多くの国民が経済的に苦しむ中、学者の人たちだけが、これほど多額の税金を 国民に隠れるようにして自由勝手に使ってよいわけがありません。これを機会に 日本学術会議という組織が徹底的に見直されなければなりません。

なお、奈良林直北大名誉教授が上記で言及している中国科学技術協会 との覚書というのは次のようなものです。

日本学術会議と中国科学技術協会間の協力覚書(要旨)

日本学術会議と中国科学技術協会(以後、両機関)は、相互の関係を強化 し、個人の研究者及びその関係者間のつながりを育むことは望ましいもの と考え、以下の事項に同意後協力関係に入ることを希望する。

1. 出版物の交換や科学、会議、セミナー/会議等を含む学術活動の 情報交換を行うこと。

2. 共通の科学的な利益のある分野において協力を行うこと。

(ー以下省略ー)

なお、この覚書の全文は、日本学術会議ホームページの国際活動の ところで見ることができます。

奈良林直北大名誉教授は「日中技術協力の抜本的見直しが必要」と言って おられます。この覚書によって、国民の見えないところで、日本学術会議が 具体的に何をやっているのか、政府がしっかり調べて国民に明らかにして ほしいものです。

(了)