(2020/11/1)

日本学術会議について考える(1)

日本学術会議の一部の会員について政府が任命を拒否したということで、 日本学術会議という組織がにわかに国民の注目を集めています。私も 日本学術会議という組織について全く知りませんでしたので調べてみる ことにしました。

日本学術会議のホームページを見てみます。そこには次のように目的と 役割が書かれています。

「日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、 産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、昭和24年 (1949年)1月、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う 「特別の機関」として設立されました。職務は、以下の2つです。

・科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること。

・科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。

日本学術会議は、我が国の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の 全分野の約87万人の科学者を内外に代表する機関であり、210人の会員と 約2000人の連携会員によって職務が担われています。 日本学術会議の役割は、主に以下の4つです。

・政府に対する政策提言

・国際的な活動

・科学者間ネットワークの構築

・科学の役割についての世論啓発 

以上が日本学術会議の目的と役割です。

そして、現在の役員は次の通りです。

会長は梶田 隆章氏(東京大学卓越教授、ノーベル物理学賞)、副会長は 望月 眞弓(慶應義塾大学薬学部教授)、菱田 公一( 慶應義塾大学 理工学部名誉教授)、村 ゆかり(東京大学未来ビジョン研究センター教授、 法学)の三氏です。理科系の人が3人、文科系の人が1人です。

210人の会員と約2000人の連携会員がいます。210人の会員名簿を見ると、 旧帝大や慶應義塾大学 、早稲田大学という、いわゆるエリート大学の教員が ほとんどです。約2000人の連携会員名簿を見ると上記のエリート大学の 教員に混じって地方大学や早稲田、慶応以外の私大の教員もかなりいます。 会員と連携会員の関係は分かりません。

次に会計報告書を確認しようと思ったのですが、日本学術会議のホームページ を見る限り、会計報告書はどこにも見当たりません。会計報告書を見て、 収入と支出というお金(おかね)の流れを確認すると、その組織の性質は 大体分かってくるものですが、残念なことにお金(おかね)のことは開示 されていません。

しかし、日本学術会議のことは、大きな話題になったため、後になって 色々な情報が出て来ました。官房長官が記者会見で日本学術会議のお金 (おかね)の収入と支出について話しました。

それによりますと、収入は国から年間約10億5000万円です。収入は これがすべてです。一方、支出は、@人件費などを含む政府・社会などに 対する提言に2億5000万円、A各国アカデミーとの国際的な活動に 2億円、B科学の役割についての普及・啓発に1000万円、C科学者間の ネットワーク構築に1000万円、事務局人件費・事務費などに5億5000万円。 なお、委員の旅費もそれぞれの項目に入っている、となっています。

この官房長官の記者会見によって、収入は全額われわれ国民の税金である ことが分かりました。一方支出の方はザックリすぎて、内容があまりよくは 分かりません。

この日本学術会議の一部の会員について政府が任命を拒否したということに ついて、反対、賛成、の意見が多く出てきました。ここで反対の意見を 1つ、そして、賛成というか、日本学術会議については問題があるので見直しが 必要であるという意見を1つ取上げます。

まづ、反対意見ですが、静岡県の川勝平太知事が知事定例会見で話した意見 です。なお、川勝知事が言う菅義偉は総理大臣です。

「菅義偉という人物の教養のレベルが図らずも露見したということではないか。 菅義偉さんは秋田に生まれ、小学校中学校高校を出られて、東京に行って 働いて、勉強せんといかんと言うことで(大学に)通われて、学位を取られた。 その後、政治の道に入っていかれて。しかも時間を無駄にしないように、 なるべく有権者と多くお目にかかっておられると。言い換えると、学問された 人ではないですね。単位を取るために大学を出られたんだと思います。 〜(中略)〜信教の自由、学問の自由、言論の自由というのは基本中の基本で。 そこに権力が介入して、権力の言う人たちだけになったら、御用学者ばかり じゃないですか。そんな人は学者じゃないです。それはまさに日本の学問立国 に泥を塗るようなことではなかったかと、非常に心配しております。 汚点です。なるべく汚点は早く拭った方がいいと思っている。」

(次頁に続きます)