(2022/8/1)

会計実務の経験(34)ー収益と費用(3)ー

(前頁より続く)

それから、別の本には、1990年代に入って、次から次へと 矢継ぎ早に新しい会計基準が発表されて制度化されたことは、 監査法人に歓迎されたと書かれていました。 監査法人の監査項目が増えて監査収入が増えるからです。

こうして、西欧の禿鷹ファンドと日本の監査法人 の利益が合致して、1990年代に 入りますと次から次へと矢継ぎ早に新しい会計基準が発表されて 制度化されたわけです。なるほど、そういうことか、と思いました。

(私鉄が禿鷹ファンドに狙われる )

私は、首都圏の私鉄沿線に住んでいます。その私鉄の大株主になった 禿鷹ファンドが、私鉄の赤字路線を廃線にするように私鉄会社に求め たことがありました。赤字路線ではあっても、禿鷹ファンドに 言われるままに、その路線を廃線すると鉄道全体が先細りになって いくことが感じられました。

鉄道会社は、沿線の住民に反対運動に協力してもらって、何とか切り 抜けました。私のところにも反対署名アンケートが回ってきました。 私も反対署名しました。

その後、禿鷹ファンドは、その鉄道会社や関連先に株式を買取らせて 大儲けをしたという話です。欧米の禿鷹ファンドが、このような手法 を使って儲けるために、企業の売買時価を財務諸表を読んで把握でき るという状況は確かに都合がいいでしょう。

「資産負債アプローチ」は、欧米の禿鷹ファンドが儲けるための手法 であって、企業会計ではありません。歴史上、いつものことながら、 欧米、特にアングロサクソンの「儲け」についての頭の切れ味は見事 なものです。

(アメリカ人は利益への臭覚が鋭い )

アメリカの学校教育には簿記教育が組み込まれているため、アメリカ人 は誰でも簿記の基礎を知っているという話を読んだことがあります。 このことがアメリカ人の利益に対する臭覚を鋭くしています。

日本では学校教育に簿記教育が組み込まれていませんので、商業高校 や大学商学部などで簿記教育を受けたごく少数の人以外は簿記の基礎 を知りません。このことが日本人の利益に関する感覚を鈍くし、経済 のことでアメリカ人の手の平でいいように転がされてしまうことに なってしまうのです。

日本の学校教育では、英語を学ばなければならないし、数学は沢山の問題を 解かなければならず、生徒の負担が大きいので、簿記を入れるのは 難しいです。しかし、インターネットが普及して世の中が変わりました。 インターネットを利用して、誰でも簿記の基礎を学べるようになって ほしいものです。

(日本は西欧の手の平で転がされる )

インターネットを利用して、誰でも簿記の基礎を学べるようになって いて、日本でも簿記の知識が広く普及すれば、経済面で、 西欧の手の平でいいように転がされて、くやしい思いをすることが 無くなります。

東大法学部卒の財務省官僚も簿記を知らないため、政府の貸借対照表 の借入金だけを取上げて「日本は財政破綻する。消費税を上げる」と、 しょっちゅう言っています。

上記のように国民も簿記の基礎を知りませんので、財務省官僚の 「日本は財政破綻する。消費税を上げる」が有効に働いて今や消費税 は10%です。あらゆる消費に10%の税をかけるのは、東大法学部卒 の財務省官僚が,簿記を知らないため正気を失っているからです。

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「百田尚樹 日本国紀 2018年11月10日第1刷発行  2018年11月25日 第4刷発行 幻冬舎 」は次のように書き ます。

(大戦中のエリート軍人と現代の官僚は同じだ )

「大東亜戦争を研究すると、参謀本部(陸軍の総司令部)も軍令部 (海軍の総司令部)も「戦争は国を挙げての総力戦である」という ことをまったく理解していなかったのではないかと思える。国民に 鍋や釜まで供出させながら、一方で夥しい無駄を放置している。 ー中略ー 大戦中の日本軍の指揮官クラスは現代の官僚に似ていると 思う。いや現代の官僚が当時の軍人に似ているというべきか。」 (394,397頁)

海軍兵学校卒、陸軍士官学校卒のエリート軍人が、「戦争は国を挙げ ての総力戦である」ということをまったく理解していなかったように、 東大法学部卒の財務省官僚も簿記をまったく知らないのです。

昔、エリート軍人が軍事で誤ったように、現在、財務省官僚は経済で 誤っているのです。国民は、昔はエリート軍人によって破滅させられ、 現在は財務省官僚によって破滅させられているのです。困ったものです。

(次頁へ続く)