会計実務の経験(29)ー資本金と引出金(1)ー
今日は資本金と引出金です。「検定簿記講義/3級商業簿記 2017年2月15日 検定(平成29年度)版発行 中央経済社 」 では162頁です。
しかし、このサイトは会社を前提にしていますので、個人企業で 使われる引出金は扱いません。私自身が個人企業で働いたことがない からです。
私の現役時代の前半は、資本金は貸借対照表の「資本の部」に表示さ れました。「資本の部」には、資本金以外に資本準備金、利益準備金、 などが表示されていました。
しかし、会計ビッグバンの影響で「資本の部」は「純資産の部」に 名称変更されました。これは、「その他有価証券評価差額金」など、 従来にはなかった項目が「資本の部」に新たに入って来た影響による ものです。
(「資本の部」は「純資産の部」になった )
純資産は、資産と負債の差額です。いわゆる差額概念です。会計 ビッグバンの影響で新たに発生した「その他有価証券評価差額金」など、 他に行き場のないものは全て「純資産の部」に来た感じです。これでは、 従来の「資本の部」の名称は使えなくなりました。
会計ビッグバンによって、従来の「資本の部」は、行き場のない 勘定科目の吹きだまりになり、複雑化して「純資産の部」になったので す。
「純資産の部」の「純」は差額という意味です。つまり、「資産負債 差額の部」という意味です。割り切って、内容そのままに「資産負債 差額の部」としたほうが正しくて分かりやすし、良いと思うのですが、 会計学者の中には、あまり分かりやすいと自分の専門性が薄まると感じて、 イヤだなという人もいるのです。そのため、会計を知らない人は 「純粋な資産」て何だろうと考え込むような名称になったのでした。
(数学の「虚数」は「imaginary nummber」である )
こうしたことは他の分野にもあります。学校の数学で、虚数という 数字を習いました。虚数はよく分かりませんでした。虚数は英語では 「imaginary number イマジナリー・ナンバー 」です。 直訳では 「想像数」です。imaginary numberをそのまま直訳で「想像数」と訳し てもらえると、私も分かったのです。
明治時代になって、西欧の科学を急激に取入れなければならなくなったため、 翻訳にあまり時間をかけることができないという事情もありました。その 苦労は十分に分かりますし、先人の努力に深く感謝します。
しかし、もう一つの理由に、日本の数学者に、他の人に簡単に分かられるのは イヤだなというイジワルな気持ちが働いたのと、自分の豊富な漢字の知識を見せ たいという顕示欲が働いて、「虚数」という実体とは異なるいかにも 難しそうな訳を与えてしまったのです。長く生きてくると、自然に、人のイヤな 部分も見えてしまうものです。
漢字事典を見ますと、「虚」は、「かって都があったが今は荒れ果てた場所」 というのが元の意味で、転じて「中味がない」「むなしい」などの意味に使わ れるようになった、と説明されています。
日本の数学者は実数を念頭において、「実数ではない」「中味がない数」 などと考えて「虚」を使い「虚数」としたのです。そのために、日本の生徒は、 学校で「虚(むな)しい数」て何だろうと若い頭を悩ませて、虚数(imaginary number 想像数)が分からないまま、「自分は数学ができなかった」と失望 して学校を卒業していくのです。
(数学教師は例外なく不機嫌でイライラしていた )
学校で教わる科目の中で、数学は特別に暗い科目でした。数学教師は例外なく 不機嫌でいつもイライラしており、数学の説明をすることもほとんど無く、 「お前、黒板に行ってこの問題を解け」とイライラを生徒に当たり散らすの でした。生徒達は、まるで教育拷問にかけられているようで、そこには 知的な要素は皆無でした。
私の経験では、数学は子供達の学校生活を暗くする最大の原因です。数学の 美を見つける度(たび)に幸せに満たされて、数学を展開し豊かにしてきた西欧の 数学者たちは、遠い異国の日本では、数学が学校の教室で、拷問のような問題解き だけの無惨な科目になり果てているとは、とても想像できないでしょう。
そして、私の数学教師が例外なく不機嫌で、いつもイライラしていたのは、 たまたま他の子より計算が速くできて教師に誉められたなど、ちょっとした何かの 成り行きで、生活のために数学教師になったけれども、数学者の誤訳のために 数学がよく分からないまま、数学教師をしていたからなのです。
そして、数学教師の職業がイヤだなと思っても、今となっては他に生きる道が ないために転職もできず、イライラを生徒に当たり散らすだけの暗い犯罪的な 職業人生を歩んでいたのです。
「虚数」は単なる誤訳を超えて、何とも凄まじい罪悪の犯罪の訳としか言い ようがありません。しかし、今となってはどうしようもありませんので、 日本の数学者は、自分たちの先輩が犯した犯罪の誤訳の罪を償うために、 これからは労を厭わず「虚数(想像数)」と表記していかなければなりませ ん。
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