会計実務の経験(27)ー貸倒損失と貸倒引当金(5)ー
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日本の民法の中味は、主にフランス民法、従にドイツ民法、イギリス民法、 アメリカ民法、です。そして、形はドイツ民法(パンデクテン方式)です。 形がドイツ民法ですので、ドイツ民法の影響が強いと言われて法学部での 解釈は基本はドイツ民法学でやるようです。日本の民法は難しくなるはず です。
欧米の色々な国の法律が混じり合って、法学部出身でない門外漢には何が 何だ分からなくなるのです。私は経済学部出身ですが、実は、選択科目で 民法を受講しました。先生は我妻栄東大教授のお弟子さんだったようで、 当時、確か「ダットサン民法」と言われた我妻教授の本を授業中に盛んに 褒め称えたのを覚えています。
しかし、先生が使われたテキストは、我妻教授の「ダットサン民法」では なく、その先生を含めた20人ぐらいの助教授、講師クラスの先生達が 手分けして書いた寄せ集め本でした。製本はしっかりしていましたが、 中味は20人の先生達が書いたものを、ただそのまま寄せ集めたものでし た。その時、民法はよく分からなかったのですが、上記のように20人もの 若手の先生達が寄り集まって、論文の本数稼ぎか、小遣い稼ぎに書いた 寄せ集め本では法の論理が一貫しているわけもなく、分からなかったのは 当然かなと今は思います。経済学部の選択科目でしたので、法学部の 先生は適当に軽く流した講義だったのかもしれません。大学で民法を学ぶ 学生は、このような寄せ集め本がテキストに使われることもあることを 知っておいた方がいいです。
社会に出たときに法律の知識が必要だろうと思って受けた民法授業でした が、あまり良くはありませんでした。しかし、確かに社会では法知識が 必要であり、法律の本は、一人で法の論理を通せるほどの知的能力の ある著者が書いた本を読まねばならないという知識を得ることが出来たの でした。
そして、学生時代に寄せ集めテキストを使うという辛い体験が あったため、社会に出てからは、本物の本を見つけようという欲求が生ま れたのでした。
日本の民法は、こうして外国の民法のごった煮ですので、特に親族など については、どうしても現実の社会から遊離しがちです。従って、 社会生活を送る上で、特に親族の揉め事などはまずはお互いよく話し合 ってみて、どうしてもダメなときは民法に頼るというのが得策に思えます。
最近はテレビで弁護士が法律相談を受ける番組が人気を博しているからだ と思うのですが、最近の人は、親族の揉め事に最初からすぐに民法を持ち 出して、かえって揉め方がひどくなることもあるようですので気をつけな ければなりません。
さて、重要性の原則に戻りましょう。重要性の原則は企業会計原則注解に 規定されていますが、企業会計原則本則と同列の影響力を会計実務に 対して持っています。重要性の原則の適用には、売上高などを考慮して 判断します。売上高などは、企業によって大きな違いがあり一律に判断 することはできません。
重要性の原則のこうした性質が、企業会計原則の本則ではなく、 企業会計原則注解に規定された理由かもしれません。企業会計原則注解の 「(注1)重要性の原則の適用について」には「(1)消耗品、 消耗工具器具備品その他の貯蔵品等のうち、ー略ー」といった5つの例が 書かれています。これは例示列挙です。
例示列挙とは、多くの例から一部だけ選んで例として示しているという ことです。例示列挙に対して限定列挙があります。限定列挙は文字通り、 その例だけに限定されているということです。例示列挙か限定列挙の どちらであるかは、その規定の解釈により判断されます。
会計実務の現場で、重要性の原則の判断がつくようになったなら、 会計実務に関しては一人前になってきたと考えてよいのでした。
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