(2022/4/1)

会計実務の経験(20)ー固定資産(5)ー

(前頁から続きます)

固定資産の会計処理に戻りましょう。会計実務担当者も、とても 大変ですが、少し時間をかけて会計実務の構造を勉強しなければなり ません。

さて、固定資産の会計実務でよく問題になる事項に、資本的支出と 修繕費の区別があります。「検定簿記講義/3級商業簿記(平成29 年度版) 中央経済社 」147頁 に「有形固定資産を購入した後に、 その固定資産について金銭を支出した場合、その支出によって当該 固定資産の価値が増加し、または耐用年数が延びるときは、その 支出額を取得原価に加えます(資産の増加)。」と記述されて います。

この場合、その支出額を取得原価に加えます、と書いていますが、 実務においては加えたりせずに、元の固定資産とは別に、単に 独立の固定資産として固定資産台帳に載せて、本体と同じ耐用年数と 償却率で減価償却していくだけです。「その支出額を取得原価に加え ます」という表現は誤解を生むので、止めてほしいものです。

(実務において資本的支出と修繕費の区別は難しいのだった )

それから、「検定簿記講義/2級商業簿記(平成30年度版) 中央経済社 」68頁 例題7−3に「なお、このうち25%は改良 のための支出とみなされた」という記述があります。

しかし、実務においては、通常は、「25%は改良のための支出」 などという%の数値は分かりません。従って、支出の全額を、 資本的支出として固定資産に処理するか、修繕費に処理するか、 どちらかでした。

会計実務の現場では、どちらなのか判断がつかないことも多いのでし た。従って、法人税法の通達などをよく調べて、どちらかに判断 し、税務調査で指摘されたら、理由をよく聞いて、以後は修正すると いうように割り切るようにするのも一つの手です。

税務調査で修繕費を資本的支出に認定されても、追徴された税を 次期以降に戻すことができますので、交際費課税のように二度と戻っ てこないということにはなりません。

それから、「検定簿記講義/2級商業簿記(平成30年度版) 中央経済社 」73頁 に固定資産の除却・廃棄のことが書かれてい ます。

「耐用年数の経過や物理的、機能的原因で使用できなくなったなどの 理由で有形固定資産を使用から除き、帳簿から除外することを除却と いいます。ー中略ー 売却や再利用ができないなどの理由で除却する 資産を廃棄する場合は、その帳簿価額を固定資産除却損勘定の借方に 記入します。」

この記述を読んだ時、私は会社員時代の出来事を思い出したのでした。 私は、学校を終えて、ある食品メーカーに就職しました。工場には 多くの機械や工具備品があり営業所にも沢山の販売器財があり、 固定資産台帳に載っていました。

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