(2021/1/1)

会計実務の経験(6)ー現金と預金B止ー

(前頁より続きます)

現金の期末処理については、日々現金出納帳を記帳して管理していれ ば特に問題は無いわけです。私は、現金出納帳に代えて、出金伝票、 入金伝票、現金集計表、を使って、日々、管理していました。

期末日には、可能であれば、現金残を全部、銀行に預けて現金残高を ゼロにするのも良い方法です。翌期首に、あらためて銀行から必要な 現金をおろしてくるのです。

( 会計実務では資格試験テキストを縦断的に使う)

預金管理の一つである銀行勘定調整表の話に進みます。 銀行勘定調整表は日商簿記2級のテキストに出て来ます。 検定簿記講義/2級商業簿記[平成30年度版]2018年4月1日発行  中央経済社のテキストの最初の所、7頁になります。

会計実務では、銀行勘定調整表は3級の範囲を超えますので、できません ということは言っていられません。従って、テキストを縦断的に、つまり 必要に応じて上の級のテキストも使っていきます。

会社では、期末決算手続きの一つとして、銀行から期末決算日の 残高証明書を取るのでした。上場企業の場合は監査法人から指定の用紙 で銀行の残高証明書を取らされました。

民営化される前の郵便局は、金融機関といっても、とても特殊でしたので 監査法人から指定された用紙で残高証明書を取るのがとても大変でした。

郵便局員に監査法人から指定された残高証明書を説明しても、 「何のことですか」と全然話が通じないのです。残高証明書というものを 見たことがないようでした。その後、民営化されましたので、今は、 そのようなことはないと思います。

銀行の残高証明書が取れましたら、会社の預金残高を出発点とする 銀行勘定調整表を作り、決算書類の一つとして銀行勘定調整表も銀行の 残高証明書も決算書に綴っておくのでした。ここまでやって、預金の 決算手続きが終了です。

( 会計実務では資金繰りが重要である)

ところで、現預金に関して会計実務でとても重要なのは資金繰りです。 資金がショートすると、企業は終りです。会社の資金の流れは、 会社毎に違いますが、基本部分は同じです。

当然のことですが、資金繰りは会社によって苦しいところと、余裕な ところがあります。

資金繰りの苦しい企業の会計を担当した場合は、資金ショートしない ように細かな管理が必要です。私は転職した会社の子会社の会計を担当 したときは、資金繰りが苦しい状況でしたので、1ヵ月の日々の入金、 出金を予想して細かく管理したのでした。

私は、資金繰り管理は中小企業診断士試験の財務管理で勉強しました。 私は、会社に、何か自己啓発をするように言われて、中小企業診断士試験 の通信教育を受けたのです。

私が受けた中小企業診断士試験の通信教育は日本マンパワーという 会社でした。約25年前、私が受けたときは全科目を受けなければいけま せんでしたが、日本マンパワーのホームページを見ますと、今は科目別に 一科目だけでも受けられるようになっています。経済的に助かります。

少し大きな書店に行きますと大学教授などが書いた管理会計の本は 沢山ありますが、理論倒れになっていて、会計実務にはほとんど役に 立ちませんでした。

資格試験は、実務に役立つ知識がまとまっていて、うまく利用すると、 会計実務の担当者にとって視野を広げ実務能力を高めるのに役立つのでした。

なお、中小企業診断士試験の財務管理の勉強をしますと、 資金繰りだけではなく企業の財務を管理会計的に、かつ体系的に勉強 できたのでした。この財務管理の体系的な知識は、会計実務の仕事に とても役立ちました。

私が受けた日本マンパワーの財務管理の体系の概略は次のようなもの でした。テキストでは図解になっていますが、残念なことに私のサイトを書く 力では図解できませんので、体系の流れを書きます。

財務管理の体系は経営活動から始まります。

経営活動→簿記→財務諸表→財務分析(収益性、流動性)

そして、収益性分析は利益管理に展開し、流動性分析は資金管理に展開 していきます。

収益性分析と流動性分析の間に資本管理(資本調達、資本運用)が位置づけられ ました。

最後に、上記の利益管理、資金管理、資本管理、の三つの管理が予算管理へと 繋がっていくのです。そして、最初の経営活動に循環していきます。

なお、収益性分析と利益管理から派生する生産性分析と原価管理は製造業の 財務管理の理解に役立ちます。

知識の体系は力です。私にとって、この財務管理の体系的思考は、その後の 会計実務に、いつも力になってくれたのでした。

日本マンパワーの通信教育が、今も知識の体系を重視するものであることを 願うものです。

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(了)