(2019/2/1)

財務会計論を学ぶ(19)ー真実性の原則他A止

(前頁より続きます)

広瀬教授の前頁の本は大変に分厚い本でした。こういうことも考えられる、 ああいうことも考えられると、思考も事例も例題もただただどこまでも 広がって拡散していく感じでした。

このような学者の方(かた)が仕事に熱心でありました場合、その性質上、 著書の頁数はひたすらに増えに増えて止(とど)まるところを知らないわけ です。そして、広瀬教授はどんどん分厚くなっていくご自分の本に大満足の ようでした

学者の方(かた)の一つのやり方として、まあ、学者の世界ではそれはそれで よろしいんでしょうけれども、会社で会計実務を担当する者としては、 焦点の定まらない、統一的な体系の無い、不毛の広大な荒野に連れて行か れるだけだなと思えて、この本は捨てました。随分高価な本だった記憶が ありますが、やむを得ませんでした。

( 昔捨てた本を図書館で見かけた )

このようにして読後に捨てた本ですが、たまたま最近、市立図書館で 2015年に出版された第13版を見かけて、会計の根本原則としての 費用収益対応の原則をあっけからんと否定していたなあと変に懐かしくなり、 その部分だけをコピーしてとっておいたのです。

今回このコピーを読み直してみて、広瀬教授のような先生が試験委員を やっている時の国家試験を受ける受験生には適切なテキストかもしれないと 思ったのでした。

それから、時間のタップリある大学生が広瀬教授の講義を聞きながら、この 教科書を使ってどこまでもとりとめの無い勉強の放浪をするという体験、 これはこれで、大人の社会人になってから、ああいうことが あったなあと振返って役立つということが、もしかしたらあるかもしれま せん。

しかし、ヘドロの川のような会社の会計実務の世界を待ったなしで泳ぎ抜か ねばならない会社員には勉強の放浪をしている余裕はありません。そのため、 会社員には向かない本だなと再確認したのでした。

( 会計と簿記が織り交ぜられてポツポツ思考が切られる本 )

読後、ガッカリして捨てた本の2冊目は「伊藤邦雄、ゼミナール現代会計入門、 日本経済新聞出版社」です。随分若いときに読みましたので中味は大部分忘れ てしまったのですが、ハッキリと覚えているのは、会計理論を読み進めて いきますと、急に会計理論の流れと関係の無い簿記のことが出て来て仕訳の 例などが解説されるのでした。

そして、また会計理論の話になって読み進めていくと、また簿記の仕訳の ことになってということが繰り返されるのでした。著者は会計理論に簿記を 織り交ぜて解説していくというところに大変な工夫と確信があるという ことを自信を持って説明していた記憶があります。

しかしながら、会計理論と簿記の織り交ぜ方(かた)が単純すぎて、 読む方(ほう)としては、思考の流れがポツポツ切られる感じで読むのに 疲労感を感じて、この本も高価な本だったのですが残念ながら捨てました。

簿記や会計理論を初めて学ぶ初学の大学生が、伊藤先生の講義を受けるとき に使う学校の教科書としては適切なのかもしれませんが、会社の現場で 会計の仕事をしている会社員が読むには、無意味で無駄な徒労の多い疲れる だけの本でした。

しかし、この本は「新・現代会計入門」と本の題名を変えて今も大々的に 出版されているようですので、どこか良いところがあって今でもよほど人気 なのでしょう。

( 少数の社外取締役に人気が集中する )

ところで、伊藤教授は最近は学者というよりも、いくつもの有名な会社の 社外取締役を勤められて、そちらに力を入れておられるようです。

余談になりますが、社外取締役は伊藤教授のような権威のある有名大学の教授、 官公庁の上層の役職を務めた官僚(含弁護士)、経営者に好まれそうな 大学教授(含公認会計士)、の三者が多いようです。経営者の考えなど、 理由は三者三様に色々とあるのでしょう。

比較的、少数の方(かた)に経営者からの人気が集中するようで、1人で 何社もの社外取締役を掛け持ちで勤められるようです。毎日、一つの会社の 仕事を勤めるだけでも手一杯だった私などからすると社外取締役の方達は 器用なものです。

( 私が勤めた会社にも社外取締役がいる )

インターネットで見ますと、私が定年まで勤めた会社も大学教授が社外取締役 を勤めています。しかし、昨年は不祥事が続けて起きたため、売上を始めと して業績は下がりっぱなしで低迷を引きずったまま年が変わったようです。

私の現役時代もそうでしたが、成果主義という名目で人件費削減のための降格 などが吹き荒れているのかもしれないと思うと、社員の人達は気の毒だなと思 います。

最近はどの会社も経営者の判断ミスによる業績低下をすべて社員のせいにして、 経営者は全く責任を取らずに、責任をすべて社員に押しつけるというのが 一般的なやりかたのようですが、困ったものです。

日本人一般が劣化してしまい、経営者のような社会の上層の人も高額報酬の金(かね) に執着するだけで、すっかり劣化してしまったのでしょうか。

その事だけではないと思いますが、私宛に業界の厚生年金基金から「色々あり まして、これまでのやり方を変えることになりました。詳しいことは後日お知ら せします。」という通知が来ました。私の年金が減りそうで、残念なことで ガッカリしました。ますます倹約生活になりそうです。

( 社外取締役に社長の指導を期待する )

何年か前に変わった今の社長はインターネットで写真を見ますと、こう言っては なんですが、何だか以前とは異なり緊張感の無いゆるんだ顔をしています。 社長になって、皆に大事にされてチヤホヤされているからでしょうか。

会社の現役社員のためにはもちろん、私の年金にも関係がありますので、気を 引き締めて仕事をして欲しいものです。

そして、ここはひとつ、社外取締役の方(かた)に社長を厳しく指導していた だいて、社長を以前のような締まった顔にしてもらって、会社も輝いていた 状態に戻してもらいたいものです。

余談を含めて色々と話してしまいましたが、これまで会計の再勉強に使って きた「財務会計講義、第12版、桜井久勝著 中央経済社」は通説の確認に使う のに便利で役立つ本として使い続けることにして、現在の会計実務の勉強の し直しには、もっと直接的に現代の会計実務に役立つメインのテキストを探す ことにしました。見つかりましたら、また勉強のし直しを再開しようと思います。

(了)